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素敵な本と言葉を失う本、1冊ずつ

心に残る本を2冊、最近手にしたのでご紹介。



まず一冊目は、Bird Watching 。Paula McCartneyの作品集です。あれ、一字なくなると、the Beatlesのあの人に! でも違います。

中には、こーんなかわいい野鳥の写真がいっぱい!…って、実は、この鳥は本物の鳥ではなく、作り物、作品なのです。たくさんの作り物の鳥が、様々な自然の中でかわいらしい表情を見せます。

こんなふうに、どこで見たかという記録までついていて、本全体が“架空のバードウォッチングの記録”という作品集。自然観察記録なども、あくまでもフェイクですがあり、ずっとながめていると、フェイクと分かっているのに、ついつい本物気分で心和んでしまう自分がいます。夜、寝る前に数ページずつめくって、癒やされています。

そしてもう一冊。こちらは同じ動物でも、言葉を失う本。フェイクではありませんが、中には“生きていない”動物たちも出てきます。
福島第一原発20キロ圏内に残された動物たちの姿を追った写真集、のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録



この本は、いただいたものなのですが、ページをめくって言葉を失ってしまいました。
表紙の犬は、紹介されている写真の中でも、もっとも正視できる写真の中の1枚。中のページには、心穏やかに見ることができない写真も多く掲載されています。

豚舎の中で、身を寄せ合って死んでいる豚
前日は生きていたのに、次の日には殺処分されてしまった豚の集団
沼にはまったまま抜け出せなくなり、そこで命を落とした牛たち
水を飲もうと川に入りそのまま溺れ死んでしまった牛

もちろん死骸だけでなく、生きた犬や猫も登場しますが、どの写真も「ごめんね」という気持ちなしに見ることができません。
報道カメラマンであり、愛猫を撮るうちに動物撮影にもハマり、今では動物も被写体にするというカメラマンらしい“作品集”。しかし、報道的な訴えるようなシャープさはありません。構図も、絞りの感じも、生き物が好きな人が、その動物たちをできるだけかわいらしく撮ろうとするときの、それ。だからこそ、1枚1枚から、涙を流し「ごめんね、ごめんね」という言葉をつぶやきながらシャッターを切る撮影者の様子が伝わり、報道写真以上の生々しさを感じます。
まだ温かいのではないかと思える豚の死骸、苦しげな牛の表情――。この作品集が伝えようとしているのは、原発事故と動物たちの出来事だけでなく、それを通じ浮き彫りになった、日本という国や政治が生き物をどのように考え扱っているかという姿勢だと思います。

私はペットは飼わない主義の人間ですが、それでも、日本人とペット・動物の関わり方、責任の持ち方について、改めて考えさせられました。



JUGEMテーマ:オススメの本
 

at 22:51, , 読んだ本

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